愛機を失う

ポケットにもの入れて走っちゃだめですね。

もう１０年以上使い続けている腕時計、PROTREK Ley。

女性用モデルなのだがコンパクトで使いやすく、デザインもいい。

当時付き合っていた嫁とおそろいで購入したもの。

後々バックライトに星座が浮かび上がるモデルが発売されたが

貧乏大学生には手の届かないシロモノだった。


お互い釣りが趣味だったこともあり、早朝・深夜の釣行に際し

日の出日の入り時刻表示や温度計測機能がとても便利だった。


ELバックライトのオートライト機能ついているので、手を傾けただけで勝手に光ってくれる。

夜に走ることが多いので大変便利だ。




先日使っていた革ベルトの寿命がついに尽きた。

ベルトを外して手に握ってジョギング開始。

走り出すと太もものハリが出たため短めの距離に変更する。


「もう時間は気にしなくていいか」とポケットへ入れて走り続ける。

３０分後自宅前でポケットを確認すると、ない。


ない、ない、ない。


「やってもうた〜」

両足の太ももはパンパン、歩くのもちと辛い。

しかし放っておくわけにはいかない、もう同じものは手に入らない。

嫁とペアで購入したものってのがまた気まずい。


足を引きずりながら走ってきた道を探しに戻る。


暗い公園の中には落ち葉がいっぱい。

犬の散歩、ジョギングしていた人もそこそこいた。

暗いから溝に落ちていたら気がつかないだろうな。

私が落ちているの気づいたら拾うだろうな。

なんて悲観的なことばかり考えながら、３キロの道のりを探す。


２キロちょい戻ったところの歩道の段差の隙間にキラリ。

偶然にも見つけることができた、本当にラッキーだった。


見つけた喜びで足の痛みも感じぬまま帰宅した。


オリジナルの革バンドはもちろん生産終わっていて入手できないので

今度時計屋さんで合うものを探してこよう。